最新AIカメラ「NX800」導入。守りのFX2と攻めのNX800で仕留めるダンス・バレエ発表会撮影システム
- ヨウスケ ミサキ

- 6月1日
- 読了時間: 6分
更新日:6月9日
こんにちは、SOUND COCOONです。
以前、このブログでシネマカメラ「FX30」を導入したお話をさせていただきました。舞台の激しい明暗差を美しく捉えきる次世代の画質に、私自身とても感激したのを覚えています。
「この圧倒的な美しさで、今年のステージのすべてを記録したい」
その想いから、今年はさらに撮影システムを大幅にアップデート。新たにフルサイズシネマカメラ「FX2」、そして最新のAI技術を搭載した業務カメラ「NX800」を導入しました。
東北エリアを中心に多くのステージを撮影させていただくにあたり、SOUND COCOONがなぜこの組み合わせに至ったか説明させてください。

📷 流行りの「ボケるカメラ」を、本番であえて制限する理由
新しく導入した「FX2」は、今SNSや映像業界で大流行している「フルサイズ」というジャンルのカメラです。背景がトロトロにボケる、まるで映画のような表現が最大の武器です。
しかし、全員が主役であるダンスやバレエの本番で、その「ボケる性能」をそのまま使ってしまっては手前のエースの子にピントが合った瞬間、後ろの列で一生懸命踊っている子たちがピンボケして、誰だか分からなくなってしまいます。
ステージの奥行き、そして全員の表情までクッキリと捉えきる。 そのために、私は本番中、このカメラにあえて制限をかけます。専門用語を抜きにして言えば、「センサーの中心部分だけをくり抜いて使うモード(APS-Cモード)」へと切り替えます。
こうすることでピントの合う奥行き(被写界深度)がグッと深くなり、前後のダンサー全員の顔をビシッとシャープに残すことができます。

🛠️ 90人以上のチアダンスでも破綻しない、歪みを克服した「最高峰の記録カメラ」
実はこのフルサイズというカメラ、激しく動く被写体を撮ると歪んでしまう現象(ローリングシャッター)が起きやすいという弱点があります。
そのため本番は「4K60p」という滑らかな設定と、先ほどの「センサーの真ん中だけをくり抜くモード」を掛け合わせます。 カメラの読み出しスピードを引き上げ、不自然に歪まない鉄壁のカメラへと化けさせているのです。
先日の撮影では、90人以上がステージに立つチアダンスのダイナミックなステージングも、このFX2とFX30のシネマラインたちが、画面の隅々まで完璧に捉えきりました。大人数の目まぐるしいフォーメーション移動にも、このシステムなら完全に応えられます。
🤝 【守りのFX2、攻めのNX800】最新AIフォーカスとのバディ連携
全体の美しい絵をFX2が三脚の上で守ってくれるからこそ、今回新しく導入したもう1台の相棒、最新ハンディカム「NX800」が真価を発揮します。
ワンオペマルチカメラの布陣において、手前に映るFX2がチアやバトンのフォーメーションを絶対に逃さずキープする「守り役」なら、このNX800はクラシックバレエやコンテンポラリーのソロを確実に狙い落とす「攻め役」です。
今までの舞台撮影は、カメラのオートフォーカスが信用しきれず、暗転からの急なスポットライトや激しい照明演出の中で、マニュアルで忙しくピントリングを追いかけ回していました。本番中、左手の3本指はぷるぷるいわしながら。
それが、このNX800の「最新AI被写体認識フォーカス」によって、 ピント合わせという一番のプレッシャーをカメラにすべて委ねられるようになったことで、私はピントの心配から解放され、頭の全リソースを「構図づくり(表
現)」だけに100%集中させることができるようになりました。
リハーサルでの記憶を頼りに、「この子はどれくらい高くジャンプするか」「どちらへ何歩移動するか」を予測しながら、一番美しいアングルで仕留める。 同時に、引きで回しているFX2の映像とどう繋がるか(観客が観たときにカメラ酔いしないか)をリアルタイムに脳内でカット割しながら撮影していく。
これはさすがに現場で培ってきた膨大な経験値が必要不可欠です。
そして、センサーサイズの違うこの2種類のカメラ。下手にそのまま並べてオートで撮れば、編集時にカメラが切り替わるたびに肌の色や衣装の色が全く変わってしまうという『破綻』が起きます。これを手動設定し、違和感なくシームレスに色味をシンクロさせているのかについてはSOUNDCOCOONが検証を重ねて辿り着いた、他社には真似できない『企業秘密』となっております。稀にいる機材をただ2台レンタルして並べただけの格安業者などには、負けない絵作りを行います。
🎬 リハーサルだけの特権:オープニング映像を「映画」に変える
「本番中はサイズを制限してるなら、なぜわざわざフルサイズのFX2を買ったの?」と思いますよね。 その答えは、リハーサル時に撮影する「オープニング用のショートムービー」にあります。
記録に徹する本番とは真逆。リハーサルでの真剣な眼差し、舞台袖での一瞬の佇まい、息を呑む緊張感……。そこでは、FX2のフルサイズ性能を120%解放します。 圧倒的なボケ味と、映画のような質感で切り取られた映像は、「これから素晴らしいステージが始まる」という期待感を最高潮に煽る、極上の予告編へと仕上がります。

💖 「東北にSOUND COCOONがいるから選んだ」と言ってもらえるように
機材をここまで突き詰めるのは、単なる自己満足ではありません。
いつもSOUND COCOONに撮影をお任せくださる、盛岡や八戸、秋田エリアをはじめとする大切な常連の団体さんたちの存在があります。
客席から観ていて胸が熱くなるような、素晴らしい表現を見せてくれる先生方や子どもたち。あの熱量を目の当たりにするたび、「うちも正面から本気の映像で応えたい」と強く思うのです。
AIの台頭、安価な競合の出現、そして同業者の高齢化などなど、いま映像屋の世界も大きな変化を始めています。
変化の激しい時代だからこそ、近場にここしか撮影業者がいないから選んだという「消去法」ではなく、 「東北に、岩手に、SOUND COCOONがいるから選んだ」 そう言ってもらえる存在でありたい。
ステージの上で、演者たちが命をかけて生み出す200%の熱量。 それをカメラワークと編集という掛け算によって、400にも800にも増幅させて、一生ものの形にする。それが東北最高峰の舞台撮影屋を目指す、私のプライドです。
新しくなったSOUND COCOONの映像システムを、ぜひ楽しみに待っていてください。
10年後の自分に、鮮明な思い出を。
SOUNDCOCOONの撮影サービス
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